1970年前後にアバンギャルドでサイケデリック、そして暴力的なサウンドで『
THE STOOGES』、『
FUN HOUSE』という二枚の名盤をつくりその後のロック、パンクシーンに多大なる影響を残し解散したTHE STOOGESが30年以上のときを経てイギー・ポップ、アシュトン兄弟にベーシストにマイク・ワット(Minuteman)を加え復活。エンジニアにスティーブ・アルビニを向かえ製作されたのが今作である。
正直に言って過去にこだわる人にはお勧めできない。昔のTHE STOOGESを求めている人は『
THE STOOGES』、『
FUN HOUSE』を何度でも聞いておけばよい。なぜ今頃になって再結成したのかは分からないが、これほどまでに伝説的なバンドが批判されることを承知で再結成までして新作を作ってきた以上、再結成自体をうんぬんいうことは間違っていると思うのでそれについては述べない。過去と切り離してこの作品を聞いてみるとこれはかなりストレートなロックアルバムでそんなに悪くない。ただ難点をあげると軸になる楽曲がない。どれも悪くはないのだが良くも悪くも単調なイメージを受けてしまった。あとスティーブ・アルビニにしてはサウンドが分かりやすくまとまってしまっている気がする。アルビニとTHE STOOGESの組み合わせだけにもっとひりひりするような緊張感のあるサウンドが欲しかった。尊敬するTHE STOOGESに遠慮したのだろうか、個性が発揮できてない様に思えるのは残念だ。
なにはともあれ70年代とは別物の新しいTHE STOOGESのアルバムとして聞くべきアルバムで、再結成のバンドのほとんどが駄作を作っていく中でこれはこれでよいのではないだろうか。かっこいいギターにパワフルなリズム隊にイギー・ポップのしゃがれたあの声が30年以上たった今でもロックし続けているのだから。